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XF56mm F1.2 Rを購入した直後に撮った写真。朝布団から出てきた直後の娘を咄嗟に撮った写真である。前の晩に使ったときのママの設定なのでISO800で撮っている。しかし、このレンズの良さはしっかりと表現されている。ピントを合わせた左目と左の眉毛、頬はしっかりシャープに描写されている。そして左耳に向かってなだらかにボケていて写真に柔らかさがある。女性ポートレートの場合「柔らかく写る」と言うことは決定的に重要なことである。ピントが合った部分がシャープであることによって「柔らかさ」が引き立つ。娘ではなく、20歳前後の美しい女性をモデルにして、背景に大きくぼかした「緑」を入れて撮ったらもっと立派な「作例写真」になるだろう。FUJIFILMが強調しているとおり「ポートレート撮影に最適」なレンズである。FUJIFILMはこういう描写をするレンズとしてこのレンズを作ったのである。このレンズの「作例」として未来のユーザーになるかも知れない人々に"いの一番"に見せるべき「作例写真」はこういう写真だろう。素晴らしいレンズだ! (アベイラブルライトでの撮影)

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ひとつ前のエントリーは出がけに大急ぎで書いて投稿したのでちょっと瑕疵のある文章であったのでその点について訂正しておきたい。私はひとつ前のエントリーの中で次のように書いたが、「ガッカリした」心情に引きずられて書いてしまったため、ちょっと捉え方を間違えている。

こういうムック本の場合、「レンズの個性」を伝えるための写真を撮っているわけで、それが写真がパッとしない大きな原因だと思う。写真そのものに「訴求力」がないのである。「心」に伝わってくるような「要素」が写真の中にほとんど無いのである。写真が薄っぺらい。

まず、「LENS BOOK」なのだから「レンズの個性」を伝えるための写真を撮ることは当然のことであり正しい。私も上の文章の中でそれがいけないとは書いていない。ただ、それが「原因」で写真に「訴求力」がないと指摘したことと、「『心』に伝わってくるような『要素』が写真の中にほとんど無いのである。写真が薄っぺらい」と書いたことについては撤回したいと思う。

「レンズの個性」を伝えるための作例写真に「『心』に伝わってくるような『要素』」などなくても良いと思う。「作例写真」は「作品」とはちがう。レンズを紹介する作例写真の場合「ああ素晴らしいレンズだな!」とか「このレンズを使ってみたい」と思わせることが出来る写真であれば良いのである。「『心』に伝わってくるような『要素』」などはあってもなくても構わない。そういう言い方をしてしまった理由は、80枚もの写真を見せられてそういうものを全く感じなかったことが極めて残念に思えたからである。

私は、プロが「作例」として「本気」で撮った写真を80枚も見せられたら、しみじみと「良い写真だな〜」と思わせられる写真があって当然だと思っているのだ。そのこと自体はこの一文を書いている「いま」でも変わっていない。せめて5〜6枚は、しみじみと「良いな〜」と感じるとか、「さすがプロだ」と思わせられるような写真があって欲しかったし、それが無かったことはかなり残念である。しかし、「LENS」の作例写真として評価する場合、「心に伝わる」云々はどうでも良い。見た人々が「素晴らしいレンズだ」と感じる写真であればOKだ。

そういう写真が1枚も無かったと言うことでは無い。しかし、「このレンズの素晴らしさを十分に伝えていない」と思う写真があまりにも多かった。「もっとこのレンズの良さを伝えることができる撮り方があるのに!」と思わずにはいられない写真が多かった。たとえば、ひとつ前のエントリーの中でも書いたが、XF56mm F1.2 Rというレンズはポートレートに使ってこそと言っても良いレンズである。FUJIFILM自身が「製品特徴」の中で「ポートレート撮影に最適なレンズ」とはっきり書いている。FUJIFILMに限らずどのメーカーでも「85mm」レンズを開発する際にもっとも重視していることは「ポートレート撮影に最適なレンズ」であることだろう。

85mmレンズは「ポートレートレンズ」と呼ばれるほどポートレート撮影に最適な焦点距離のレンズである。実際、ポートレート撮影に使われることが非常に多いだろう。ブログなどのネット上の写真を見ても、写真雑誌に掲載される写真を見ても、85mmで撮影されたスナップ写真というのはほとんど見かけない。それくらい「ポートレート撮影」に使われることの多いレンズである。それなのに、XF56mm F1.2 Rの作例写真として掲載されている写真にはポートレート写真が使われていない。私にはこういう「姿勢」が理解出来ない。85mmレンズの購入動機の最大のものがポートレート撮影であることは間違いない。であれば、そのような購入検討者の「需要」に答えた「作例」を出すのがプロの役割だろう。

担当した写真家は次のように書いている。「『ポートレートに最適なレンズ』とはフジフイルムのアピールだけど、通常の中望遠レンズとしても卓越した性能を持つ。遠景描写は隅々まで気持ちよく解像するのは流石の一言」。ちなにみ、正式な社名は「フジフイルム」ではなく「富士フイルム」である。作例の担当をするレンズを作っている会社の名前ぐらい正しく表記すべきだと思う。(英語表記の社名)「FUJIFILM」ならOKだ。

作例写真は1本のレンズにつき2枚ずつ掲載されている。であれば、1枚はポートレートを掲載すべきだと思う。「85mm」レンズを買う人の中にはポートレート撮影に使う人が最も多いだろうし、スナップには使わないと言う人も少なくないと思う。繰り返しになるが、ネット上にも雑誌上にも85mmで撮られたスナップ作品はほとんど見かけられないのである。私自身はこのレンズの大きな魅力をポートレートにだけではなく、「通常の中望遠レンズとしても卓越した性能を持つ」という点に強く感じている。しかし、それは私の「個人的」な解釈に過ぎない。

何処まで行ってもこのレンズの最大の特徴は開発したFUJIFILMが明記しているように「ポートレートに最適なレンズ」なのである。その魅力を伝えようと思えば、ポートレートの作例を見せるのが当然だと思う。ついでながら言っておくと、FUJIFILMの「製品特徴」に掲載されている3枚の「サンプル画像」はいずれもポートレートフォトである。それはそれで「足りない」と思う。サンプル画像を5枚ぐらい掲載し、「中望遠レンズとしても卓越した性能を持つ」レンズであることを紹介する作例も掲載するべきだと思う。メーカーはもっとユーザーが求めるモノを理解すべきだ。

ようするに、日本人のほとんどが「目的意識」というモノを曖昧にするようになってしまっているのである。残念ながら、2L程度のサイズにした雑誌の印刷レベルの写真で「遠景描写」の性能など伝えられるはずがない。担当したフォトグラファーにはその程度の「知識」もないのだろうか? 実際その写真を見ても、「隅々まで気持ちよく解像」しているようには見えない。当たり前である。モニタ上で見るとか、高性能プリンターである程度の大きさのプリントにするのでない限り、「遠景描写」が「隅々まで気持ちよく解像」していることなど伝えられるはずが無いのである。であれば、そういう写真を「作例」として出すことになんの意味も無い。

XF56mm F1.2 RはFUJIFILMがその一点しか語っていないように「ポートレート撮影に最適」なレンズである。絞り開放でもピントの合った部分はとてもシャープである。そして、アウトフォーカスの部分は実に見事な柔らかさを出してくれる。このレンズの最大の魅力がここにあることは間違いない。FUJIFILMの開発者ははそれを実現することを目指してこのレンズを作ったはずだから。であれば、「作例」写真はまずは何をおいてもその点が表現されているポートレートフォトを出すべきである。私が言っていることに間違いはあるだろうか?

「プロ」と言ってもピンからキリまでである。いや、相当著名なプロでも「目的意識」ということが「お留守」な人はかなりいる。なぜならそれは「撮影技量」とは別の「能力」だからである。個人の作品であれば何をどう撮ろうと自由であるが、レンズの「作例」写真の場合、まず第一にそのレンズの最大の「魅力」を見せるための「写真」を撮るべきだと思う。違うだろうか?

プロカメラマンであれば誰でも「撮影技量」は持っている。それがなければプロにはなれない。しかし、「撮影技量」があればそれだけでアマチュアにとって「学ぶべき教師」であるとは限らない。キャリアのあるプロカメラマンの中には「最近の若手は理論に対する理解が浅い」という声もある。そう指摘するベテランカメラマンでもつまらない「作例」写真を撮っている人が少なくない。「目的意識」という「能力」を持っていないからだ。アマチュアにとって学ぶべき理想のカメラマンというのは、「写真」と「カメラ」に対する知識に止まらず、「写真の見方」「写真の見せ方」「写真を通じて自己表現の仕方」などなどについて深く理解しているカメラマンである。はっきり言って、そういうプロカメラマンは必ずしも多くない。技術を教えることはできてもそれ以上のことを教えられないカメラマンが多い。

「名選手必ずしも名監督ならず」という言葉があるが、カメラマンとしてある程度のレベルの写真が撮れると言うことと(それは「当然」のことだ)、アマチュア写真愛好家を「育てる」力というのは全く別な「能力」なのである。私が、何かというと「渡部さとるさん」の話を持ち出す一番大きな理由は、彼こそはアマチュア写真愛好家にとって最も理想的な「教師」だと思っているからである。渡部さとる門下生からは極めて優れた写真作家がたくさん生まれている事実がそのことを証明している。

渡部さとるさんがアマチュア写真愛好家にとって最高の教師である理由については、「世界一美しい写真集を出している」と言われている「冬青社」の高橋社長が語っているとおりである。昨日紹介した高橋社長の言葉をもう一度引いておこう。

渡部さとる氏は自らがコレクターだと高橋は理解している、将来性のある、或は努力している、若き作家の作品や気にいった作品と出会えば、無理をしてでもコレクションをされている。

作家の苦しみ、喜びを自身の美意識と共に分かち合っていられる。

素晴らしい写真表現者としての姿勢、たがらこそ表現する喜びを知り尽くされているのだと高橋は感謝をしながら、思っている。


渡部さとる氏程、若き写真家の作品から古典作品まで幅広く研鑽している作家は珍しい。

とにかく受け入れることの早さは高橋の10倍は超えている。

様々なアート作品を受け入れ、学ばれたことを、惜しみなく吐き出し、伝えてくれる。


プロであれば誰でも撮影技量は持っている。しかし、それだけではアマチュア写真愛好家に多くのモノを与えることはできない。

追記。私はこの「XF56mm F1.2 R」の作例写真を担当したフォトグラファーの撮影技量が低いと言っているわけでは無い。「遠景描写」を見せようとした写真も21インチとか27インチのディスプレイで見たらきっと美しいだろうと思う。高性能プリンターでA3ぐらいにプリントしたら奇麗だろうと思う。そして、作例の2点目の写真(43Pの写真)は「XF56mm F1.2 R」の作例写真としてとても適切な写真でありとても奇麗に撮れていると思う。雑誌掲載写真でこれだけ写っているのだから、「透過光」で見たらとても写しい写真であること間違いないと思うし、「XF56mm F1.2 R」の特徴を良く見せてくれていると思う。

私が言いたかったことは、ポートレートの「作例」を出すべきだと言うことと、雑誌に掲載した場合その良さがまったく伝わらなくなってしまうタイプの写真があることぐらいはプロとして理解しておくべきだと言うことである(遠景の精細な描写など雑誌では伝えようがない)。42ページの写真は見てみたい。きちんとした形で見たらきっと素晴らしい写真だと思うし、「XF56mm F1.2 R」というレンズの異なる面での素晴らしさを教えてくれる写真だろうと思う。作者は出す場所を間違えた。

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by dialogue2017 | 2019-02-01 21:00 | 写真とカメラの話し | Comments(1)

私の場合、フルサイズセンサーを使いたいケースはポートレートだけである。ポートレートの場合開放絞りF1.4の大口径レンズを使うが、絞り開放で撮ることはまず無い。ほとんどのケースは開けてもF2.0、F2.2、F2.5のいずれかである。このF値はAPS-Cセンサーでは概ねF1.4、F1.6、F1.8に相当する。FUJINON XF 56mm F1.2 Rは絞り開放から安心して使えるので割とF1.2を多用している。上の3枚の写真はEOS 5D MarkⅢ + SIGMA 85mm F1.4で撮影した写真。下の3枚はFUJIFILM X-T2 + FUJINON XF56mm F1.2 Rで撮影したもの。各写真の絞り値は写真の上に記載した。

「ボケの量」という点では、私はAPS-CセンサーのX-T2にXF56mm F1.2 Rを付けて撮った写真で十分である。このレンズでもF2.0まで絞って撮ることが少なくないが、とにかく開放でも安心して使える。反対に、5D3 + SIGMA 85mm F1.4の場合、F2.0より開けてしまうとピントが合っていない写真の様に見えてしまうのでよほどのケースを除いて開けることはない。

ポートレートでさえ「ボケの量」という点ではAPS-Cで十分である。フルサイズセンサーを使いたい理由は「ボケの量」ではなく「絵柄のゆとり」である。抽象的な表現だが、言い直せば階調の繋がりのスムースさということになる。もう一つは、「ノイズ」である。逆光で撮ることが多いポートレートの場合暗部にノイズが出やすい。特にISOを上げた場合顕著に出る。そういうケースではAPS-Cセンサーとフルサイズセンサーの差が出る。言うまでもな後者の方がノイズが出にくい。

以上のように、フルサイズセンサーに拘るには明確な理由がある。スナップではさほど重要なことではないので私はスナップでフルサイズセンサーのカメラに拘ることはない。F1.4で撮って一部だけにピントが合っている写真を撮って悦に浸るほど未熟ではない。私の場合、スナップではほとんどの場合F5.6〜F8.0まで絞って撮る。APS-Cセンサーの場合はF4〜F5.6を多用する。スナップなんて遊びであるから開けて撮ることもあるが、それでもF2まで開ければ十分である。スナップ系のモノクロ作品を撮っている人間で絞り開放の作品というのは滅多に見ない。寧ろそいう写真は鼻で笑われることの方が多い。

【F2.2】

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【F2.2】

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【F2.0】

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【F1.2】

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【F1.2】

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【F1.2】

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by dialogue2017 | 2018-12-14 06:00 | 写真とカメラの話し | Comments(0)

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by dialogue2017 | 2018-11-20 10:15 | 写真とカメラの話し

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by dialogue2017 | 2018-11-18 14:00 | 写真とカメラの話し