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「人間の個性が個性として発揮されるためには、その人間が理想というものをきちんと持っていなくてはいけないということもありますね。理想があるかないかということをみんな忘れてしまっていた。だから、あなたはどういう人間ですかと言われたときに、『私はなんの太郎兵衛です』と言うんじゃなくて、『わたしは、こういう理想を生きようとしている人間です』と答えられること。この理想という次元を忘れている中にこそ、自己喪失があるんじゃないかと思います」(加藤尚武)

「理想に気づくということは、『驚きに見開かれた目を持つ』と言うことでしょうね。手袋ひとつでも、樹木ひとつでも、あるいは隣に座った女の子の瞬きひとつにでも、驚きの目を持って見るという感受性が必要で、それがなければ、理想というのは生まれないんじゃないでしょうか」(西部邁)


by dialogue2017 | 2019-12-03 19:00 | 備忘録 | Comments(0)

「ぼくは自己を失うと言うこと、疎外も含めて、確かに人間の輝かしい特権なんだと思う。言葉遊びと言われるかもしれないが自己を失うということは、その喪失感、あるいは空無感、それを観念として味わうのが、唯一輝かしい人間の特権であると。その特権を駆使して、自己を喪失するがゆえに、たとえば自己犠牲というものを思いつき、犠牲の対象として、なにがしかの超越的なものを想念し始めるというふうに考えたい。それから、問題は自己を喪失したかどうかではなくて、自己喪失というものに自覚的であるかどうかということが、自己を保有しているか否かであるということであります」(西部邁)

「自己喪失を自覚するためには、単に自己についての認識があるだけではなくて、自己を越えたものについての共感だとか、コミットメントがあって初めて自己喪失というものがわかるんだと思う」(加藤尚武)


by dialogue2017 | 2019-12-03 17:00 | 備忘録 | Comments(0)

「人生というものは過去からなり立っていると言っても間違いはないんだけれども、その過去は言葉を通じて思い出すという作業によってしか、僕らの魂には刻み込まれない」「その過去の物語こそ、人生の大事な部分です」

「生きている意味は何かと尋ねられたとき、何か美しい思い出を持つことだと言ってどのくらい間違っているだろうかと思うことがあります」

「でも勇敢さとは、結局最終的には兵隊として死ぬ能力というか、自覚的に死を選ぶ能力というものだと思います。その意味では現代社会では、勇敢さという徳がそういう形ではなくなった世界ですね。それと同時に自己犠牲というものがなくなったから、自己の生を意味づける大義がなくなってしまったんです」

「それらの画家は徹底的に自分のオリジナリティを否定するという思考の中でオリジナリティを発揮しているんです。だから、オリジナリティを発揮しようとして模倣に終わっている作品とは全然違うんです」

「大衆批判の原点が、自己という観念であるとすると、あるいは自己という観念にすぎないのだとすると、自己という観念それ自身がもっているいかがわしさというものを同時に考えなければならない」

「自己喪失を自覚するためには、単に自己についての認識があるだけではなくて、自己を越えたものについての共感だとか、コミットメントがあって初めて自己喪失というものがわかるんだと思う」(加藤尚武)

by dialogue2017 | 2019-12-03 02:00 | 備忘録 | Comments(0)

「可能性としての伝統というのは、それの上に乗っかるほど安定したものではなくて、再解釈して活かしていく努力の中にしか成り立たないものですね」

「文化の同一性を保存する場というものを考えたときには、国家よりむしろ家族ではないかと思います。家族という場でわれわれは、伝統への自覚的信念によってかやむを得ずか知らないけれども、次の世代にあるモラリティを押しつけるよりしかたありません。そして押しつけるモラリティをせめてよくしておくということが、未来に対する歴史哲学では無いかと思います」(加藤尚武)

by dialogue2017 | 2019-12-02 23:30 | 備忘録 | Comments(0)