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SIGMA dp Quattro カラー(1)

なんと、このエントリーは「非公開」としてアップされていた。と言うわけで順番が末尾になってしまったが改めて公開でアップし直す。

このカメラにとっては守備範囲外のカメラアングルである。このカメラは撮影者の背中に太陽を背負ったアングルでしか性能を生かせない。つまり「逆光」気味になるとすぐに破綻してしまうのである。太陽は画角外左上にある。左側の大きな木が太陽を遮っているため逆光であるがなんとかあまり破綻せずに写っている。「フォレストグリーン」という「緑色」を強調するカラーモードでRaw現像している。まさに「フォレストグリーン」。このシーンにピタリである。Photoshopの「自動トーン補正」か「自動カラー補正」を掛けると「緑被り」が消えてクリアな発色になる。X-T2でAWBで撮れば初めからクリアな画像になる。SIGMA dp0 Quattroの場合「スタンダード」でもある程度色被りしている。クリアな発色の方が「雪景色」らしい写真になるが、どこにでもあるありふれた写真になってしまう。このカメラのカラーモードを使うと「作った写真」になる。私はそういう写真をずっと拒んでいたのだが、このカメラの作る写真はとても魅力的だと思う。写真下に本文あり。

2018年2月18日撮影。北八ヶ岳。SIGMA dp0 Quattro ISO200 F5.6 1/800 +0.33EV AWB フォレストグリーン

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「SIGMA dp0 Quattro」に魅了されている読者がいる。恐らく、彼はSIGMA dp0 Quattroのモノクロの描写に惹かれているのだと思う。確かに、このカメラのモノクロは非常に魅力的である。このカメラ一台でモノクロ写真を撮り続けて個展をやってみたいと思わされるカメラである。しかし、既に書いたと思うが、このカメラのカラー写真はモノクロ以上に個性的で他に代えがたい強い魅力を持っている。オーソドックスな写真を好む私が魅了されるほどなのである。

「写真は僅かな差」で大きく変わると言うことを何度も書いた。レタッチ次第で写真がまったく変わってしまうのは言うまでも無いが、私が「僅かな差」という話で言いたいのは撮影時のことである。ほんのちょっとカメラアングルを変えるだけで写真は変わる。なぜなら、レンズに入ってくる光の角度が変わるのだから。感光体(撮像素子やフィルム)に当たる光が変わるわけである。当然写真は変わる。ポジフィルムは絞り1/3段外すとミスだと言われた。そのためプロカメラマンはポラを切って露出を厳密に確認した上で撮影し、その上で「切り現」をやっていた。レタッチをしていると1/3段以下の微調整で写真の見栄えが変わることを感じる。写真が分かるようになってくると1/3段の違いってかなり大きい。

問われるのは撮影時の光の捉え方だ。どの部分の光をどういう風に見せたいかと言うこと抜きにモノクロ写真を撮ることはあり得ない。極端なことを言ってしまえば、「ここの光をこういう風に見せたい」と言うことがモノクロ写真の全てと言って良いかもしれない(私はそこまで思わないけれど)。ポートレートを撮るとき、モデルの身体の向きや顔の向きが僅かに変わると写真はまったく変わる。極端なことを言うと、あるピンポイントの角度だけが「正解」でそこを外してしまうと全部「失敗」とになると言っても構わないと思う。私はまだただの一度も本気でポートレートを撮ったことが無いけれど、もうそのことをよく知っている。

スナップや風景写真でも同じことだと思う。花の写真なんてまるっきりポートレートそのものだと言っても良い。結局、どういやって光を捉えるかと言うことが写真の肝なのである。モノクロだとそのことを意識している人でも、カラーだとそのことに徹底的に拘る人は少ない。しかし、カラー写真でも理屈は同じである。ただ、カラー写真の方が誤魔化しがきくのでそこを曖昧にしても、色合いの鮮やかさで写真として成り立ってしまうケースが多いと言うだけだ。しかし、やはり光を奇麗につかまえたカラー写真は魅力的だ。この写真は普通だけれどね(笑)。

(1,439文字)


Commented by from_vixen at 2019-02-24 21:28
この写真からもすごく立体感を感じます。木々や荒れた雪肌の精細さは流石SIGMAだと思うとともにそれを生かす露出を選べるかが重要なのだなという気がします。

光と陰で作った奥行きはやはり立体感が違うように思えるのですが、手前には覆い被さるような木や大きな陰があり奥に行くに従って日向になっているからそう感じるのでしょうか。
Commented by dialogue2017 at 2019-02-24 21:43
> from_vixenさん
コメントありがとう。
そんな風にしっかり写真を見てもらえて嬉しく思います。
僕自身は、あまり何も考えず淡々と撮っています。

立体感が出ている理由はいくつかあると思いますが、
一つには、手前に「影」が入っていることが大きいと思います。
ここに影が入っていないと明るすぎて目がそこに奪われてしまいます。
手前にこれだけシャドーを入れていることがこの写真のポイントです。

奥行きを感じる一番の理由は21mmを縦位置で使っていることだと思います。
僕は人物写真は別として縦位置で撮ることはかなり少ないです。
街スナップで縦位置で撮ることはまずないと言って良いほどです。
縦位置で撮るのが一番多いのは「高い樹木」を入れたカットです。
左側の樹木が手前から奥に小さくなっていきながら連なっている、
このラインが「奥行き」を見せる効果を持っています。
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by dialogue2017 | 2019-02-24 19:00 | 風景 | Comments(2)