XF90mmF2 R LM WXを使ってみた

昨日、初めてスナップにXF90mmF2 R LM WXを使ってみた。写真下の本文で縷々解説したが、135mmの大口径レンズ向ける被写体なんて「人物」以外に無い。しかし、本文に記したように、私は他人に正面からレンズを向けることが苦手である。基本的にはとても失礼な行為だからである。許可を求めれば快諾してくれる人は意外と多い。しかし、そこまでして撮りたいとも思わない。で、後ろ姿を撮ってお茶を濁すことになる(涙)。

この写真の女性は肌の露出があって、ちょっと年甲斐も無い写真であるが、昨日何枚か撮った写真の中ではこのレンズの特徴が最もよく出ている写真だと思うので、顰蹙を恐れず掲載することにした。PROVIAで撮ったJPEGファイルを僅かにレベル補正しているが、このレンズは他のレンズに比べてマゼンダが幾分強く出るような気がする。で、少しマゼンダを抑えた。シャッターを切る瞬間右端の手すりに一本手が伸びてきた(笑)。これでこの写真は台無しであるが、まあレンズのテストなのでそんなことは構わない。Rawファイルから他のフィルムシミュレーションを使ってもっと丁寧にレタッチしたら(と言っても結局レベル補正程度しかしないが)、もう少し綺麗な写真になるだろうと思う。きちんと使ったらかなり良いレンズだと思う。よし、近いうちに一度キッチリ撮ってみるか(笑)。※写真下に本文あり。

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XF90mmF2 R LM WRを初めてスナップに使ってみた。持って行くかどうか最後まで悩んだが、購入してからそろそろ2ヶ月になるのにこのレンズはほとんど使っていないので一度使ってみようと思い持って行った。3月末に4本レンズを購入した際、最初はこのレンズ1本だけを買おうと思っていたのに、「ついで」で買ったXF35mm F1.4 RとXF56mm F1.2 Rばかりを使っていてこのレンズは全然使っていない。使わない理由は至って簡単で、使い道が無いからである。

私はスナップに望遠レンズを使う習慣が無い。スナップというのは35mmか50mmでするものだと思っている。一時期、GR DIGITALを常用していたことがある。小さくて軽くてスナップには最高のカメラだと思う。しかし、28mmというのは使い勝手は良いけれど、私には面白みに欠ける焦点距離である。私は50mmが一番好きなのだが、「焦点距離年齢説」からするとそれで妥当なのだ。使いやすいという意味では35mmの方が遙かに使いやすいと思う。50mmというのは以外に「長く」て、引かないと撮れないと言うことが少なくない。

人間、寄るのは面倒に感じないが、引くのは面倒である。寄れないというシチュエーションは少ないが、引けないことはかなり頻繁にある。35mmなら簡単に収めることが出来る場所でも50mmだと収めきれないと言うことがちょくちょくあるものである。だから、35mmの方が断然使いやすい。観光地のような場所なら35mm、いや28mmの方が良い。50mmだと建物の全景を撮れないことがかなり多いからである。

話が逸れたが、私はスナップに望遠レンズを使う習慣が無い。いや、使ったことがほぼ全くない。そもそも私は望遠系レンズをほとんど持っていない。長年EOS DIGITALを愛用してきたが、ロングレンジのレンズは3本しか持っていない。EF100mm F2.8LMACROと、EF70-200mm F4Lと、SIGMA85mm F1.4の3本である。EF100mmはマクロレンズとして使っていた。中望遠レンズとして使うことはほとんど無かった。いや、マクロレンズとしてもほとんど使ったことが無い。EF70-200mm F4Lは息子のサッカーの試合と運動会でしか使わない。SIGMA85mm F1.4はポートレート用。このレンズもプライベートでの使用比率は低く、仕事用のレンズだった。追記。そもそもEOSをスナップに持って行くこと自体が無い。

XF90mmF2 R LM WRは135判換算で約135mm相当の画角となる。かなり長い。私がこのレンズはスナップに使い道が無いと断ずる理由は、私はどちらかというと「目の前」のモノを撮ることが多いからである。一月ほど前から初めて「ちょっと先の被写体」を撮るようになった。これまでも遠景を撮ることはあった。しかし、それらの写真は広角レンズでパンフォーカスで撮るような写真である。つまり、画角内の全体が「被写体」であるような写真である。目の前の「風景」全部を撮るという撮り方である。

一月ほど前から撮り始めた「ちょっと先の被写体」というのは、おおよそ5m〜10m程度先の被写体である。別に人物で無ければならないことは無いが、こういうレンジで写真を撮る場合「人物」を撮るのが一番手っ取り早い。そもそもこのレンジで写真を撮り始めた動機は少しXF56mm F1.2 Rを使ってみようということであった。本来は、「撮影目的」に合わせてレンズを選ぶのが筋であるが、今回は「レンズを使う」ことが目的で「被写体」はレンズを使うために選ぶというスタイルとなった。つまり、「撮影目的」自体が「レンズを使う」ことであって、「何を撮るか」という本来最も重要である要素は二の次三の次なのである。

XF56mm F1.2 R(135判換算85mm)で何かを撮ろうと思うと、勢い「人物」にレンズを向けてしまう。私は大口径レンズでは開放付近で撮ることがほとんどである。絞り込んで撮るなら何も大きくて重い大口径レンズなど持って行く必要が無い。XF56mmF1.2 RでF8に絞って撮るくらいなら、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISを持って行ってテレ端で撮っても「同じ」だ。大口径レンズというのは開放付近で撮ってこそ価値があるのである。

85mmのF2.8以下ともなると被写界深度はかなり浅くなる。中望遠レンズの場合、背景を"抜いて"おけば後ろは大きくボケる。そのことによってメインの被写体が浮き出てくる。これが大口径レンズの価値を最も活かした撮り方である。で、XF56mm F1.2 Rを使ってスナップを行うと、勢い人物ばかりにレンズを向けてしまう。私は、許可も無く他人を真正面から撮ることに強い抵抗感を覚える。「人を指差してはいけない」ということが当たり前のことであった時代に育っているので、人様にあからさまにレンズを向けることには拭い去れない抵抗感がある。端的に言って、それはかなり”失礼”な振る舞いである。もちろん、全くそういうことをやったことが無い訳では無いが、そういうことをすることは少ない。で、後ろ姿を撮らせていただく(笑)。

XF56mm F1.2Rを使ってみて思ったことは、85mmというのはポートレートレンズだと言うことだ。ポートレート以外にだって幅広く使える焦点距離だとは思うが、やはりポートレートレンズだと思う。私の場合、仕事でポートレートを撮っていた頃には70%ぐらいの写真を85mmで撮っていたので、そういう感覚が染みついている。ポートレート=85mmとなってしまっているのである。ポートレートを撮るのは85mm。85mmレンズを使うときはポートレートなのである。で、先週初めてXF56mm F1.2Rを使った際には(実際には4月末に松本で一度使っているがほとんど撮っていないため事実上先週が初めてのようなモノだった)、人物を撮ることが多かった。

さて135mmであるが、私はこの焦点距離のレンズをほとんど使った経験が無い。古いZeissの135mmを2本持っているのであるが、EOS 5Dのファインダースクリーンはピントの山が見えにくいため使えなかった。Planar2/135という非常に素晴らしいレンズを持っているのだが、EOSのファインダーではとてもF2でピントを合わせることが出来ない。人物を手持ちで撮ったとしたら、完全なジャスピンなんて5枚に1枚あるかないかである(下手をしたら10枚に1枚しかない)。まして私が撮る「人物」といったら「子ども」がほとんどで、静止していない時に撮ることが多いのでマニュアルフォーカスの135mmは使いようが無かったのである。

昔(半世紀ほど前)は、28mm、35mm、50mm、135mmの4本が写真を始めた人々が最初に揃えるラインナップであった。当時、135mmレンズというのはかなりスタンダードな存在だったのである。いまでは135mmを使っている人などまず見かけない。なぜなら、ズームレンズが主流だからである。あえて135mmの単焦点レンズを使っているような人は、プロかアドバンストアマチュアぐらいである。

私は135mmレンズを使った経験が事実上無いと言っても良い。EOSを使っている頃、EF135mm F2Lを買おうと思ったことがある。EF135mm F2Lは良いレンズである。しかし、仕事としてポートレートを撮るというのでも無い限りほとんど必要の無いレンズだと言って良い。自分の子どもの写真を撮るのであれば、せいぜい85mmがあれば十分で、135mmを使ってまで撮りたいとは思わない。私に言わせると、135mmというのは「プロ用」のポートレートレンズだと思う。つまり、スナップのように「与えられた」被写体を撮るためのレンズでは無く、モデルを「用意」して、ライトを「作って」撮るような撮影を行う際に使うレンズだと思うと言うことである。そういう使い方をして初めて「真価」が現れるレンズだと思う。
追記】そこまでしてポートレートを撮るとしたら、SIGMA 135mm F1.8 DG HSM artを買ってEOS 5D MarkⅢで撮るだろう。

そんなわけで、スナップに135mmを持って行くことには躊躇いがあった。撮るとしたら人物以外にない。しかし、見知らぬ人を勝手に撮ることには抵抗感がある。XF56mm F1.2 Rは小ぶりなレンズなので、上手にレンズを向ければ、自分のアップを狙われていると言うことを悟らせないで撮ることが出来るが、135mmは長いレンズなのでレンズを向けられれば自分のアップを狙われていると気づかれる。だから、正面からはなかなか撮れない。しかし、人物の写真は正面から撮らなければ面白くない。

結局、このレンズをきちんと使ってみようと思ったら、誰かにモデルになって貰って撮るしか無い。別にレフ板とかは無くても良い。反逆光で上手にアングルを取ればレフが無くてもそれなりの写真を撮ることは出来るから。声を掛ければモデルになって貰える女性がいないわけでは無い。しかし、そこまでして写真を撮りたいという気持ちが今の私には無い。良い写真を撮ることより、海風に吹かれながらブラブラと歩くことが楽しくて出かけているのである。そんなわけで、せっかく重いこのレンズを持って行ったにも関わらず、このレンズの「真価」が現れるような写真は1枚と言え撮ることが出来なかった。しかし、このレンズの「実力」を垣間見ることは出来たので、初回の目的は達成したと言って良い。

やはり、一度くらいはきちんとポートレートを撮ってみたいと思う。ただ、「一度だけ」と言うつもりで撮るとしたら、やはり一人アシスタントを連れて行ってきっちり撮りたいと思う。やってみたいとは思うが、人の多い江ノ島や鎌倉の海岸で、大きなレフ板使って写真を撮るなんて恥ずかしいことは私には出来そうに無い(笑)。



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by dialogue2017 | 2018-05-21 13:00 | スナップ | Comments(0)