Velviaの「白」

上がVelvia、下がPROVIA。「白」も「黄」も「緑」も発色が異なるが、コントラストも違う。しかし、なにより違うと思うのは「白」の「鮮やかさ」である。冷調か暖調かと言う違いだけでは無く、Velviaの白には「華やかさ」がある。※写真下に本文あり。

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二ヶ月ほど前に入院した母が、4日前二度目の転院で我が家から1.5kmほどの場所にある病院に移ってきた。転院前に比べて大幅に近くなったので毎日見舞いに通っているのだが、昨日は天気が良いので歩いて行った。往復3km、散歩にはほどよい距離である。さほど写真が撮りたいという気持ちでは無かったが、どこかの日陰に綺麗な花が咲いているかもしれないと思いカメラを持って出かけた。住宅街なので民家の庭に花が咲いている家が沢山あり、それなりに綺麗な花が咲いていたが、さほど撮りたいという感じの花は無かった。

この花は、駅前の商店街の店舗の脇の日陰に咲いていた。建物に遮られた完全な日陰に咲いていて、花の直ぐ周りにはまったく陽は当たっていなかった。しかし、3〜4m手前でこの花に気がついたとき、完全な日陰であるにもかかわらず白い花びらにたっぷりと「光」が当たっているのが分かった。目の前まで辿り着いたときに立ち止まり(別にこの花に近づいて行ったわけでは無く、歩いている途中に咲いていたのである)、1〜2秒でこの写真を撮った。

露出補正値はいくつだっただろうかと考えてみたが思い出せない。補正を掛けた記憶自体が全くない。記憶が無いわけは、私は3〜4m手前でこの花を見つけたときに撮ろうと決め、花までの5〜6歩を歩いている時に歩きながら露出補正をしていたからである。だいたいいつもそうで、少し手前で撮ろうと思うモノを見つけると、そこに辿り着くまでの数メートルを歩いている時に無意識で露出補正を掛けている。これはもう長い間の習慣である。ミラーレスカメラなのだから、立ち止まってからファインダーを覗きながら補正値が反映されているスルー画像を見て補正値を決めた方が外すことが少ないのであるが、習慣なので歩いている間に補正を掛けてしまう。最近は、立ち止まってファインダーを覗きながら補正を掛けることも増えているが、私は細かいことへの拘りが全くないので、やる気が無いときには昔のスタイルでやってしまう。

デジタルカメラの場合は多少アンダー目に撮っておけば問題は無い。デジカメの場合白飛びは補正が効かないが、シャドーはかなり起こせるから。多分-0.67EVの補正を掛けたのでは無いかと思ってEXIFを確認したら-1.0EVであった。ということは、結構明るく見えていたと言うことである。実際、私の目には白い花びらが光を受けているのが見えた。完全に日陰に咲いているのだが、花ビラに当たっている光がよく見えた。写真を撮るとき、いつでも「ハイライト」の白飛びを気にしているため、ハイライトの「光」を見る習慣が確立されているのである。

これはF2.0で撮影しているのであるが、真ん中の黄色い雄蕊(?)に二つの黒い汚れがある花だけが、ピントを合わせた他の花と「面一」になっていなかった。パッと見た感じでは、画角の中央にある花10個ぐらいは「面一」でピントが揃うと思ったのだが一つだけ被写界深度の外だった。平素であればこの手の構図はF4で撮ることが多い。ぼかそうと思ったときでもF3.2かF2.8である。最大限開いてもF2.5。そういうことはもう頭の中に「基準」として確立されているので、いちいちファインダーを覗きながら確認すると言うことをしなくなっている。どうしてもピントを合わせておきたければF4で撮っておけば良いし、ボケたカットも欲しかったら絞り値を変えて何枚か撮っておけば良いから。

私は作品を撮っているわけでは無いので、写真を丁寧に撮ることは少ない。ましてこんな写真、上手く写っても失敗してもどちらでも良い写真である。私は、散歩をしながら何かにレンズを向けてシャッターボタンを押すという行為を行うことが好きなのである。結果としての写真は「どうでもいい」のだ。これは本当のことである。だって、自宅近所で撮った写真なんてどこまで行ってもたいした写真であるわけが無いのだから。いや、私はスナップ写真全般についてそう思っている。

さて、それでも撮ってみたわけは、PROVIAとVelviaを比べてみたかったのである。それぞれがどんな風に写るかは想像出来るが、両者の違いがどの程度かというのは実際に撮ってみないと分からない。どうしてこういうことをやっているかは、「弱い光で撮るASTIAについての検証」に記したように「少しはフィルムシミュレーションを使ってみよう」と考えているからである。そういう理由で、Velvia、ASTIA、PRO Neg.Hiの3つのフィルムシミュレーションについてちょこっと調べているということである。Classic ChromとPRO Neg.Stdの2つは使うつもりが無い。

ASTIAについてはおおよその使い道を掴んだので、VelviaとPRO Neg.Hiの二つについて少し試して見ようと思っている。Velviaは発色が鮮やかなので「桜」とか「紅葉」の撮影に適していることは言うまでも無いが、私はVelviaが生きる色は「白」だろうと睨んでいる。他のフィルムシミュレーションの「白」に比べ、Velviaの「白」には"透明感"があると思うからである。この写真を撮った理由は「日陰の白」を見つけたからである。そんなわけで、ピントの深さがどのくらいかと言うことは私にはどうでも良いことなのである。

知りたいのは、この花ビラの「白」がPROVIAとVelviaでは「どれくらい」違うかと言うことである。PROVIAの方がウォームな色合いとなり、Velviaの方が冷調で鮮やかな色合いになることは撮る前から分かっている。それがどの程度の「開き」になるかが知りたかったのである。



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Commented by road41jp at 2018-05-13 19:09
こんばんは。私はiPad Proの大きいほうで見ています。iPad Proだと、邪魔には感じませんが、周りの環境でディスプレイの色の感じが変わります。

私の携帯以外の唯一のカメラがGRなので、フィルムシュミレーションを知りませんが微細なアートフィルターのようなものでしょうか。
iPadで更新なのでPC版のPhotoshopでレタッチをしたことがありません。レタッチは楽しいものでしょうか?フィルムカメラの現像のように(これも知らないのですが)焼き加減とかに心がこもるものでしょうか。

またもとりとめもないコメントです。でも質問ではなく、更新されている間に独り言コメントしたかったためです。では。
Commented by dialogue2017 at 2018-05-13 22:39
> road41jpさん

こんばんは。コメントありがとうございます。
大変興味深いご質問ですので、この件について一つエントリーを立てて、
そこで詳しくお返事させて頂きたいと思います。
アップは明日になると思いますので楽しみにお待ち下さい。
Commented by blackfacesheep2 at 2018-05-13 22:52
富士フイルムのデジタルカメラは、自社のフィルムのシミュレーションができるのが面白いですね。

かつて、VelviaにしてもProviaにしてもずいぶんとお世話になりました。
Velvia、特にオリジナルのISO50のRVPは派手過ぎてちょっと使えないフィルムでした。
Proviaも今のRDPIIIよりもかつてのRDPIIの方が好きでした。
今のRDPIIIの方が粒状は良いのですが、シャドウが落ち込んでいくときの哀愁みたいなものがなくなった感じです。
リバーサルのシャドウなんて、すぐにがっつり落ちちゃうので哀愁もへったくれもない・・・
まあ、そういう意見もありますが、ライトボックスの上に乗っけたときの直感的な感想です。

今のデジタルでのシミュレーションは、かつてのRVPとRDPの個性の差ほど、大きな差をつくっていない印象です。
RAPはあまり使わなかったのでよくわかりませんが・・・
Commented by dialogue2017 at 2018-05-14 14:50
> blackfacesheep2さん

コメントありがとうございます。お返事が遅れて恐縮です。
私もRVPは苦手でした。派手すぎて使いませんでした。

私はフィルムで撮っていたのは2〜3年しかなく、本数も少なかったです。
プリントしないので粒状性に関しては関心が無く、
当時は細かいことには全く関心がありませんでしたが(いまでも同じようなモノですが)。
ただ、ライトボックスの上で見るポジフィルムは美しいと思いました。

私もRAPで撮った本数はたかがしれていますが、
XシリーズのASTIAより柔らかかった印象が残っています。
まだRAPが残っていれば撮っていたいところでした。
by dialogue2017 | 2018-05-12 12:00 | | Comments(4)