弱い光で撮るASTIAについての検証(3)

こういう連載モノの場合、大半のケースでは最初はひとつのエントリーだけを書くつもりで始めている。それ故、今回も最初のエントリーのタイトルは「弱い光で撮るASTIAについての検証」であって(1)が入っていない。過去のエントリーで(1)が入っているモノの半数くらいは、(2)以降を書いた後にあとから(1)を付け足している。それはともかく、(1)は確かに「弱い光で撮るASTIAについての検証」を行うために撮った写真であるが、(2)と(3)は「ASTIAについての検証」という目的で撮ったわけでは無い。だからタイトルを変えようかと思ったが、面倒なので変えなかった。

(2)の赤いバラの写真を撮ったときにはASTIAではなく、PRO Neg.Hiがどういう写りになるかに関心があった。そして、この(3)はVelviaと他のフィルムシミュレーションの違いがどの程度出てくるかに興味があった。(2)で書いたように、同じ光で撮影しても被写体の色によってフィルムシミュレーションの適性が異なるのである。断るまでも無く、どのフィルムシミュレーションを適当だと思うかは各人の”好み”の問題でしかない。「これが正解」などというものは無い。しかし、「合わない」と言うことはあると思うし、各フィルムシミュレーションには「得意な色」や「得意な光」があると思う(この点も各人の好みによって判断は異なるだろうが)。

「合わない」例を挙げると、Velviaと「深紅」という組み合わせだ。絶対に合わないと言うことでは無い。上手く撮ればVelviaならではの鮮やかな深紅を表現できる。ただ、色飽和しやすいのでVelviaで「深紅」を撮るときには繊細な注意が必要である。Velviaは彩度もコントラストも高いため深紅に限らず色飽和が起きやすいので花を撮る際には注意深く撮影すべきである。この「白いバラ」の花を撮っているとき、Velviaの美しさが出るのでは無いかと期待した。確信は無かった。私はまだ、それぞれのフィルムシミュレーションの適性を判断出来るほどの「場数」を踏んでいないから。万能型のPROVIAばかりを使っていたのだから当然のことだ。

Velviaがこの白いバラの美しさを一番よく表すだろうと思った理由は、この写真を美しく見せるために最も必要なものが「透明感」だからだ。つまり「抜けの良さ」である。私は昨年の11月に京都で写真を撮ったときJPEGの設定をVelviaにして撮った(なにしろ紅葉の季節だったので)。その際「色の鮮やかさ」ということととともに「抜けの良さ」がVelviaの素晴らしさであることを知った。

結果は以下の通りである。どのフィルムシミュレーションでも綺麗に写っていると思う。どれが一番良いと思うかは各人の好みに拠ると思う。レタッチをしていない下の4枚の写真に関する私の好みの順番は、Velvia、PROVIA、PRO Neg.Hi、ASTIAの順番になる。ASTIAが悪いと言うことでは無いが、ASTIAはPROVIAやPRO Neg.Hiより幾分ウォームな発色である。この写真は「雨の日の白いバラ」である。「白」は抜けるような色合いであることが好ましい。それ故、ASTIAが最下位に甘んじるのである。この写真に関してはASTIAよりPROVIAに分がある。

さて種明かしをしておく。実は、PRO Neg.Hiだけはレタッチしている。ほんの僅かであるが明るさとコントラストを持ちあげている。(1)の中で書いたように「この光はPRO Neg.Hiには柔らかすぎる」のである。手を入れたのはほんの僅かであるが、手を入れないと一番見劣りする。手を入れればVelviaに次いで2番目の評価になると思ったが、僅かな差でPROVIAの方が上だと感じた。「ネガフィルム」より「ポジフィルム」の方が抜けが良い故の差だと思う。

私は今まで、こんな風に自分の撮った写真を「検証」したことは無かった。今回も「検証」することを目的に写真を撮ったわけでは無い。実は、撮ろうと思った写真は「エレガント」に掲載した写真とその別カットの方だったのである。雨の中撮りに行った理由は、明日の朝の分として別ブログに掲載する写真が無かったからである(これが"別カット”。ただし、明日の朝6時前には表示されない)。

バラの花の写真を撮ったら、X-T2ではとても645Dには叶わない。解像度の問題では無い。「品」の問題である。「静物画」のような写真を撮らせたら中判カメラの方が絶対に強い。中判カメラの画質には「品」があるからだ。

※(1)(2)とは各フィルムシミュレーションの掲載順が異なります。念のため。


【Velvia】

Velviaの特徴は「色鮮やかさ」と「抜けの良さ」である。しかし、長所と短所は裏表であるから、Velviaの「色鮮やかさ」は「諸刃の剣」である。色鮮やかさが「下品さ」になってしまう場合がある。「下品」とまで言わないまでも、鮮やか過ぎて上品さを欠く場合がある。(1)の黄色いバラの場合、実物が持っている上品さが失われていた。しかし、こういう色合いの場合、色の鮮やかさが問題となることはない。そうなると「抜けの良さ」という長所だけが生きてくる。下の3つのフィルムシミュレーションとの差は小さいと思うが、抜けの良さと品の良い色の鮮やかさという点でVelviaが一番美しいと思う。もちろん、好みは人それぞれだからASTIAが一番好きだという人がいても構わない。

【追記】ここには書かず、別のエントリーを立てて書こうと思ったのだが面倒なので書いてしまう。Velviaが一番綺麗に見える大きな理由の一つは背景の葉の「緑色」にある。緑色の鮮やかさはVelviaの最も素晴らしい点だと私は思っている。もう1点。花ビラの中のシャドーの部分の「黄色」が他のフィルムシミュレーションより濃く出ている。Velviaの鮮やかさが生きているのである。

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【ASTIA】

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【PROVIA】

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【PRO Neg.Hi】

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by dialogue2017 | 2018-05-09 19:00 | カメラ | Comments(0)