モノクロ用フィルター(3)

昨日「モノクロ用フィルター」というエントリーをアップした直後に、茅野の家の玄関を出て15mほどの所に聳えている白樺の木の写真を2枚撮ってきた。件の女性が「白樺の幹の『白』が、うーん…」と書いている理由は、白く写って欲しい白樺の木が「グレー」に写ってしまったからである。で、「うーん…」となってしまったわけである。これは「露出」についての最も基礎的な知識の欠如が起こした問題である。

恐らく、モノクロ写真を撮っている女性の大半は、カメラの露出計の仕組みをまったくご存じないだろう。その説明をすると長文になってしまうのでご本人(たち)に調べて貰うことにするが、結論だけ書いておくと「露出計」というのは、被写体が「18%グレー」で写る露出値を教えてくれるシステムである。きちんと知りたい方は「18%グレー」で検索すると沢山のサイトがヒットすると思う。短絡的に説明をすると、反射率が100%であれば「真っ白」に見え、反射率が0%であれば「真っ黒」に見える(現実には「真っ白」に見えても反射率は90%程度、「真っ黒」に見えても3%前後と言われている)。仮に、「真っ白」を90%、「真っ黒」を4%と仮定した場合「相乗平均」は18%程度になる。

露出計は「色」を判別することが出来ない。露出計が分かるのは「明るさ」だけである。露出計に入ってくる「光」は物体からの反射光である。そして、色ごとに反射率が異なる。上に書いたように「真っ白」は90%程度であり、「真っ白」は3%前後である。そして、「真っ白」と「真っ黒」の間のこの世のすべてのものの「平均反射率」が18%なのである。露出計というのはこの原理を使い、(カメラのTTL露出計であれば)画角の中の被写体が「平均反射率」であると仮定して、その「明るさ(色)」(つまり18%グレー)に写る露出をはじき出しているのである。つまり、18%の反射率のものがその通りの明るさ(色)で再現される露出を教えてくれているのである。まあ、こんな話は、モノクロ写真を撮る男性であればほとんど全員が知っていることである。

ちょっとネットで調べたら、とても役に立つ「テスト」結果をして紹介してくれているサイトが見つかった。誠に恐縮であるが、その方の「写真」を拝借させて頂く。下のカラーチャートに書き込まれている数字は、「18%グレー」を±0とした場合(それが露出計の仕組み)、他の色の「明度」がどれくらい離れているかを実際にスポット露出計を使って測定したものである。

大雑把に言って、「真っ白」なものを「真っ白」に再現するためには+3.0EV、「真っ黒」なものを「真っ黒」に再現するためには-3.0EVと言われているがほぼその通りの数値となっている。もちろん、これは画角の中全部が「真っ白」とか「真っ黒」の場合のことであって、実際にスナップとかをする場合にはそういうことは無いから、背景の明るさによって匙加減が異なる。背景によって1EV程度は変わってしまうので「大雑把に言って」と言うことさえ難しいが、「白い物」を「白く」表現するには+1.0EV〜、「黒い物」を「黒く」表現するためには-1.0EV〜程度の露出補正は必須と言って良い。

つまり、地球の裏側の女性が「白樺の幹」を「白く」写すためには、少なくとも+1.0EV程度の露出補正を掛けておかなければならなかったということである。ついでながら、私は時々カメラやレンズの写真をこのブログに掲載するが、ほとんどの場合「黒バック」で撮影している。つまり、画角の中がほぼ「真っ黒」に近い状態で撮影している。ほとんどの場合、私は-2.67〜3.0EV程度の補正を掛けて撮影している。それでほぼ「適正露出」になる。※昔のブログに-3.0EVの露出補正で撮影したカメラの写真があった→ "この写真”

念のため申し上げておくが、撮影理論に関しては、このブログには「初心者向け」の話し以外は書いたことが無い。今回の話しも含め、このブログで書いた理論的な話は全部「初心者向け」の話である。中級レベルどころか、「初級の上」というレベルの話しさえ書いたことが無い。

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もうひとつ、ある方がこういう役に立つ「図」を作って教示して下さっていた。上に書いたように、露出計は「色」を識別することが出来ない。出来ることは「明るさ」を計ることだけである。明るさというのは「白」〜「黒」の間の256階調で表すことが出来る。モノクロというのはこういう「変換」が行われていると言うことである。※おおよそを表した「概念図」です。

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by dialogue2017 | 2018-05-06 09:00 | Comments(0)