なんのためにライティングをするのか? (3)

※このエントリーに掲載した写真はファイルサイズが小さいためぼやけて見えます。あしからず。

一つ前のエントリーの写真について、どういうライティングであったか文章で説明したが、文章ではなかなかイメージが作りにくいだろうから、Mon's cafeさんを混迷に陥れないために(笑)、スタジオのセッティングを写真でお見せしておく。「スタジオ」と呼ぶのが憚れるほど狭いスタジオである。通常必要とされるスペースの半分ぐらいしか無い。最大の欠点は天井が低いこと。天井が低いため、「トップライト」を組めなかった。この間私の書いた文章を読んでくれていた人ならご存じのように、女性ポートレートの場合トップライトがあるか無いかは天と地である。

写真左側に並んでいるストロボの右側が「メインライト」。このストロボの光がライティングの柱となる。メインライトの左隣のストロボはバックペーパーライティング用。このストロボからの発光が無いと背景が暗い写真になってしまう。写真右側に写っている丸形のライトは「フィルライト」。オクタゴンボックスという八角形の大きなソフトボックスを付けている。反射面が広いためディフューズされた柔らかい光が打てる。撮影目的によってはこのライトを「メインライト」として使用する場合もある。その場合、「メインライト」が「フィルライト」になる。いずれにしろ、モデルさんの身長、肌の色、人数などによってライトの高さ、向き、出力などを微調整して撮影を行う。通常の写真館のようにフラットなライトで撮る場合には微調整の必要は少ないが、私の所ではグラデーションの出るライティングで撮ることが多かったので微調節は不可欠であった。

真ん中奥の方に長方形のソフトボックスを装着したストロボがあるが、このストロボは「スリットライト」といって、光の直進性が強く、限られた場所に光を当てることが出来る。通常はほとんど使わないが、着物姿のモデルさんの撮影などを行う際、モデルさんの左後ろから肩越しにライトを入れることによって、着物のアウトラインを綺麗に出すために使ったりした。写真の真ん中にソフトボックスを付けていないストロボがあるが、これは多分、この日に「天井バウンス」か何かをやるのに使ったモノが写っているのでは無いかと思う(記憶は定かでは無い)。追記】写真館の撮影業務として「天バン」をやったことはない。

左側に写っている2灯のストロボの前に「物干し掛け」のようなポールが写っているが、ポールの左側に「白いカーテン」のようなモノが見えると思う。2灯のストロボの前にこの「白いカーテン」を引いて撮影を行う。この「白いカーテン」のようなものは「紗幕」と言って、ライトを拡散させるために使用する。ソフトボックスの前にも紗幕と同じような布があって、ソフトボックスだけでも光はかなり拡散して柔らかくなるが、更によりソフトなライトにするためにソフトボックスの前に紗幕を引いてライティングを行っていた。

通常の撮影では、左の2灯(メインライトと背景用ライト)と、モデルから見て左正面にある「オクタゴンボックス」(フィルライト)の3灯を使って撮影することが多かったが、一つ前のエントリーに掲載した友人の写真は「フィルライト」を発光させず、メインライトと背景用ライトの2灯だけで撮影した。ストロボから近い部分と遠い部分では当たる光の量が異なる。遠くになるに従って光量が少なくなる。そのため、あの写真のように「青色」にグラデーションが生まれる。グラデーションは、当たる「光の量」が異なることによって生み出されると言うことである(説明するまでも無いことですが)。

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これは、2012年9月11日に撮影した写真。写真館が正式にオープンしたのが9月7日だったか9日だったので、その数日後のシーンである。お客さんの撮影では無く、宣伝用ポスターの撮影である。モデルさん母子は写真館専属モデル(笑)。息子のクラスメイトの妹とお母さん。撮影しているのは写真家の泉大悟君。彼に写真館のメインフォトグラファーを務めて貰った。チーフフォトグラファーにはは関西から友人のカメラマン逢坂君を呼んだ。「2B」の「暗室番長」Sさん(女性)は、ブライダルフォトと料理写真の写真家について写真の勉強をした経歴の持ち主なので、料理の写真とブライダルの撮影ではメインカメラマンをやって貰った。彼女とも七五三のロケ撮影などに二人で出掛けたモノである。私は、渡部さとるファミリーにおんぶにだっこで写真館を経営していたのである(笑)。

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このスタジオの最初のライティングを組んでくれた写真家の渡部さとるさん。彼は、スタジオ撮影用の機材一式を私に譲ってしまったため、スタジオライティングで撮影する仕事が入ると私のスタジオに来て撮影をしていた。渡部さんの脇のiPadに写っている着物姿の女性は、この日撮影したモデルさん。シャッターボタンを押すと次の瞬間このiPadに撮影した画像が表示される。ほとんどリアルタイムでの表示である。モデルさんの斜め前にもスタンドに装着したiPadが置かれてあり、モデルさんが自らの写真を確認することも出来る。また、ワーキングテーブルに設置してあるキャリブレーションをしてある大きなモニタにも撮影画像が表示される。泉君が撮影しているときには、私がそのモニタを見て、泉君にあれこれ注文を出す。「1/3落として」とか、私はプロに向かって注文を出すのである(笑)。

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外付けHDDを覗いていたら、スタジオをもう少し広く撮った写真も出てきたのでそれも掲載しておく。この写真はスタジオの掃除中に撮影した写真なのでストロボの位置は撮影時のモノとは異なる。この写真を見ると「紗幕」がどういうものか分かると思う。まあ、ぱっと見は「白いカーテン」である。その右隣に写っている掃除機のようなモノは「スチーマー」。背景布には皺が入るのでスチームを掛けて皺を取るのである。この写真には写っていない手前側がワーキングスペースで、大きなワーキングデスクが2台並んであり、その上にはハードウエアキャリブレーション機能を持った高性能ディスプレイが2台並べられている。泉君と私はその机に並んで仕事をしていた。探したら写真見つかるかな?

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出てきた。でも、これはスタジオのレイアウトを変えた後の写真だね。バックペーパーの位置が90度違う場所に移動している。モニタが写っているデスクが泉君のデスク。モニタが写っていない左側のデスクが私のデスク。

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渡部さんはちょくちょく遊びに来てくれた。写真館隣の韓国料理屋が気に入っていたため(笑)。楽しそうなカメラを持っているね〜(笑)。

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撮影は私も行ったが、プリントはほとんど泉君に任せていた。そのくせ、仕上がると「これ、もう少しシャドーを持ちあげて」とか色々注文してやり直して貰っていた(笑)。「ギターの写真」の話から脱線しすぎてしまったが、Mon's cafeさんや、渡部さんのファンである「SunsetLine」さんなどには興味深い話しだろうと思ってちょっと写真をお見せした次第。写真館を始める前と後で自分の写真が大きく変わったとは思わない。しかし、やはりライティングして写真を撮るという経験は、私にとって有意義な経験だったと思う。まあ、プライベートではストロボは全く使わないけれど(笑)。私はゴリゴリの"アベイラブルライト主義者”なのだ(爆)。

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by dialogue2017 | 2018-04-17 19:00 | 写真論 | Comments(0)