光をコントロールして写真を撮る(1)

モノクロで花の写真を美しく撮るのはとても難しい。切り花を買ってきてライティングをして撮るのであればまだしも、街中に咲いている花を綺麗に撮るというのは思いの外難しいことである。花は色の美しさが決定的なので、モノクロにしてしまうとパッとしないモノなのである。よほどの技量が無い限り、花をモノクロで美しく撮ることは出来ないと言っても良いだろう。だから、私は花をモノクロで撮ることはほとんど無い(笑)。しかし、それで終わりにしてしまったらこのブログらしくない(笑)。と言うわけで、以下、少し能書きを垂れてみようと思う(爆)。

モノクロで花の写真を綺麗に撮ろうと思ったら、まずは「室内」で撮ることからチャレンジしてみることをお勧めする。理由は至って簡単で、室内で撮影する場合には「ライティング」をコントロールすることが可能だからである。「ライティング」と言ったからといって、ストロボライティングというわけではない。窓から入ってくる「自然光」を使って撮る場合でも、窓からの距離を変えることによって被写体に当たる「光量」を調整ことが出来る。また、白い壁際に置いて撮影すれば、被写体に壁からのバウンス光を当てることが出来る。これらはみな「ライティング」である。光の当て方を意図的に操作することはみな「ライティング」であると言って良い。

私は花を敢えてモノクロで撮ることはまずしない。LEICA M MONOCHROME 1台しか所有していないと言うのであればともかく、他にもカメラを持っているのであれば花の写真はカラーで撮ることをお勧めする。私に言わせれば、花をモノクロで撮るのは「変態」である(笑)モノクロばかり撮っていると言うこと自体が少なからず「変態」だと思うよ(爆)。冗談はさておき(本気で書いたが)、モノクロばかり撮っているより同じくらいの数のカラー写真を撮っている方がモノクロ写真を理解出来るのでは無いかという気がする。モノクロには向かない被写体というものがあるし、モノクロには合わないシチュエーションというものもある。試みに、カラーで沢山スナップをしてきて、それをモノクロにしたものと元のカラー写真を並べて眺めてみるといい。"モノクロが合う光景"がどういうものかが見えてくるだろう。

「光景」、そう「光景」である。「光」の「景色」である。こじつけめいた話で恐縮であるが、「光」と「色」の「景」である。「景」というのは、「ありさま」という意味の漢字であるから、「光」と「色」の「ありさま」が「光景」ということになる。カラー写真の場合「色」の持つ意味は決定的である。モノクロの場合「色」はあまり重要で無いと想う人はモノクロ写真いついてまだよく理解していない人である。「色」ごとに「反射率」が違うから、何色であるかによって「白」と「黒」の間のどの「色」になるかが変わってくる。つまり、モノクロ写真においても「色」はとても大きな要素なのである。カラーであれば、反射率の近い色が重なっても色で分離して見えるが、モノクロの場合、反射率が近い色がいくつも近接してあると、同じトーンが重なってしまい被写体の輪郭が分かりづらくなる。最悪、ゴチャゴチャした写真になってしまう。テーマとなる被写体と、背景の反射率が同じであるともう見られたモノじゃ無い。

さて、丁寧に話を進めると3,000字になってしまうので、ひとつの「結論」を書いてみる。モノクロで撮った花の写真を美しく見せる比較的簡単なやり方は、どちらかというと「二位」的な写真として表現することだと思う。実際に二調風にするという意味では無い。写真を全体として捉えたとき、言い換えると写真をパッと見たとき、「白」と「黒」が分かりやすい写真にしてみようという話である。ただし、よく見ると「白」と「黒」の間に様々な「グレー」がある方が美しい。

手元にモノクロで撮った花の写真は1枚もないので、カラーで撮った写真をモノクロにして別ブログにアップした中からいくつかお見せしよう。これは「ライティング」して撮った写真である。ただし、「自然光」でのライティングである。何をやったかというと、まず「自然光」をディフューズした。それから、二方向から「バウンス光」を当てた。それだけである。自慢できるほどうつくしい写真では無いが、すっきりしていて悪くは無いと思う。控えめに評価しても、大きな欠点の無いまとまりのある写りの写真だと思う。そういう写真に出来た理由は、光をコントロールして撮影したからである。

多分、ほとんどの人はこの写真をどういう風にして撮ったか想像出来ないだろう。しかし、プロフォトグラファーであればほとんどの人が想像出来るだろう。プロは写真に写っている「光」から撮影手法を読み取ることが出来る。自分自身が常日頃光をコントロールして写真を撮っているからである。しかし、プロでも意外とストロボ1灯ライティングで撮ったと想像する人が少なくないかもしれない。そういう風に撮った感じの写真だから。

直ぐ下に、この写真を撮ったときの撮影風景の写真を掲載しようと思ったが、それでは面白くないだろうから、撮影風景の写真をお見せするのは数時間後にしよう(あるいは明日に)。その代わりに、元のカラー画像を下に掲載しておく。あらかじめ申し上げておくが、これは"真面目”に撮った写真では無い。たんなる「お遊び」である。芸人の「ネタ」みたいなものである(笑)。

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写真にはライトが写り込むことが多い。花瓶の右上に「障子」がくっきり写り込んでいる。

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by dialogue2017 | 2018-03-22 19:00 | 写真論 | Comments(0)